子育ておじさん

40代のおっさんの子育てメモ

ズルい女

息子 0歳

 

女はずるい、赤ちゃんにおっぱいを与えることができるから。

 

時々妻にぐっすり寝てもらうため、夜のお世話を担当する。

ミルクはだいたい3時間おきに与えることになっているが、そううまく起きてくれるものでもない。2時間しかたっていないのに泣き始めたり、4時間眠りこけたり。

長く寝てくれるのはいい。あらかじめミルクを作っておいておなかがすくのを寝ながら待つだけ。問題は早く目覚めて泣き始めるときだ。

 

女性であればひとまず母乳を与えて落ち着かせる、という手段が取れる。

私にはできない。

まず抱っこしてあやしてみる。機嫌が直らなければミルクを与えるしかない。超スピードで湯を沸かし調合に入る。流水で人肌まで冷ますが、焦っても温度が下がるスピードは変わらない。

その間この世の終わりのように泣き叫び続ける息子。ほんの5分程度だと思うが、未明の集合住宅だ。間違いなく他の部屋の住人に迷惑をかけているだろう。10分にも20分にも感じられる。いたたまれない。

必死の思いで哺乳瓶を息子にくわえさせると、ケロリと泣きやんでゴキュゴキュと音を立て飲み始める。可愛いのだけれども、この虚脱感。お前はなぜそんなに平然と飲み始められるのだ。

途中で「もういらん」とばかりに哺乳瓶を口から離したりすると多少いらっとする。さっきまで死にそうな声を上げていたじゃないか。飲め。最後まで飲め。

しかし無理に飲ませても結局吐き戻す。赤ちゃんには勝てない。

 

女にこの焦燥感と無力感が分かるか。

 

人にもよるが、女性は赤ちゃんに母乳を飲ませないとおっぱいが張り、乳腺炎になったりすることもあるそうだ。母乳をやることができるというのと表裏一体で、母乳をやらなければいけない母体の仕組みに縛られている。

そのしんどさは男などには分からない。

ちなみに母乳は血液からできているのだそうだ。赤血球は含まれていないから白くなっているだけで。

母親は産んだ後も、赤ちゃんに自らの血を分け与えているということだ。そもそも母親は大量の血を流して赤ちゃんをこの世に送り出してもいるのだ。赤ちゃんは母親の血と引き換えに生かされている。

こんな強いつながりは父親には持てない。ずるい。ありがとう妻。