子育ておじさん

40代のおっさんの子育てメモ

神の住宅難

息子 0歳

 

自分は「神様や仏様がご加護をうんたら」というのを一切信じられない度量の狭い人間である。それでもお宮参りに地元の神社へ。

 

「ご祈禱料 5000円」。ネット上できちんと書いてくれているのは現代人としてはありがたい。お気持ちだけ...なんて言われると逆にいくら包めばよいのか困ってしまう。ちなみに1万円なら巫女さんが神楽を奉納してくれるそうだ。

 

祈禱の受け付けで、両親の名前、子供の名前に生年月日、住所、電話番号まで書く。しかも担当の方が全て読み上げて念入りに確認。「後日お名前の入ったお守りをお送りしますので」とのことで、ひとまずその場はなるほどと思って終わる。

 

待っている間に衣装をつけた妻と息子と自撮り。祈禱よりはむしろこっちがメインかもしれない。

 

同じ時間に祈禱を受けたのは我が家の他にもう一組だけ。外国人のお父さんと日本人のお母さんのご家庭のようだ。赤ちゃんはギャンギャン泣きまくっている。そりゃそうなるわな。うちの息子も最初は寝ていたが途中で目を覚まし、触発されたのか大声で泣き始める。豪快な泣き声のデュエット。とはいえ巫女さんも神職さんも慣れているんだろう、淡々と祈禱を進める。

「かしこみかしこみ申す~」というフレーズが泣き声にかき消されそうになりながらかすかに聞こえる。その直後、

 

〇〇市✕✕町何丁目の△△アパート、父誰々と母誰々に、令和●年●月●日に生まれたる長男~」とすがすがしいぐらいに個人情報を大声で奏したてまつられてしまった。なんやねんこれ。しかもうちのアパート名が横文字であるせいもあり違和感の激しさといったらない。思わず噴き出してしまった。

そして、ああ、それで受け付けであんなにしっかりと住所や氏名を確認されたのかともう一度納得。

まあ堅苦しい空気の中カチコチで30分過ごすよりはよかったかな。ともかく「心身ともにすこやかに育ちますように」という神職さんのお言葉に感謝。心からそう願っている。

 

ちなみにもう一組のご家族は1万円支払ったようで、神楽が奉納されていた。神職さんも尺八を吹き唄をうたい、巫女さんが舞う。ちょっと得をした気分だ。

 

帰りの妻との会話。

「どこの誰がお参りに来たからご加護よろしくね、っていうのを神様にはっきり伝えるために住所や名前まで言うんかね」

「神様ならそれぐらい言われなくても分かってくれよとも思うけど」

「最近は個人情報が厳しく守られてるから、神様も簡単にどこの子か分からないんじゃない?」

 

なるほどね、神様にとっても大変な時代だ。